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農業に思うこと 1 (規格について)


農学部は卒業したもの、農業については知らないことだらけでした。

有機農業もどういうものかもよくわかっていませんでした。

ただ農薬、化学肥料だけは使いたくないという想いだけはありました。


千葉県のある有機農家に手伝いに行った時、びっくりしたことがありました。

収穫した後のにんじんの箱詰め作業をしている時のことでした。

何にびっくりしたかというと、「規格の多さ」にです。

分ける規格は大中小大きさだけでなく、先が尖っているもの、丸まっているもの、色が  鮮やかのもの、そうでないものなど規格の数は20近くあったように思います(ごめんなさい、はっきり覚えていません)。小さいもの、先が二股や割れは当然規格外です。虫食いなども当然NGです。

どの規格に当てはまるのか自分にはさっぱりわかりませんでした。

規格の仕分けは本当に手間がかかる作業です。


農産物の流通は規格に合わせなければ出荷することができません。

儲かる農家の条件とは、程よい大きさのものを色艶がよく、形が揃った同じ規格のものを 大量に栽培できる農家です。

B品と呼ばれる規格外の野菜は全体の3分の1以上は出ます。それらは通常破棄され  ます。

これが農家の実情です。

規格を分けていく作業は、正直全然楽しくなかったことを思い出します。


私は思うのです。本来「自然」とは大きいもの、小さいもの、変わった形のものなど、いろんなものがあっていいはずです。

規格に合ったものが求められる農業の世界は、今の子供たちの学校教育によく似ていると私は感じています。

テストで点数をとる子、先生の言うことをよく聞く子、思いやりがあり協調性のある子が  優等生とされています。そういう型にはまった子どもを学校は育成しているのではないかと私は思っています。

農産物のB品は子供たちで言えば、先生の言うことを聞かないガキ大将です。

違う見方をすればガキ大将の子の方が、型に捉われずのびのび育っています。


私は市場出荷が苦手です。苦手な理由の一つがこの規格にあります。

型に捉われずのびのび生長してほしいという想いが強いので、私は市場出荷に向かないのかもしれません。






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