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農業に思うこと 6  農産物の販売

ほとんどの消費者の方は、スーパで農産物を購入されると思います。

スーパーに届く農産物は、農協を通して流通されています。


生産者のほとんどが農協に出荷します。

前にも書きましたように、農協に出荷するには厳しい規格に合わせて揃えなくてはなりません。大変な作業です。


野菜の価格はその時の全体の出荷量によって決められます。

出荷量が多ければ価格は下がりますし、少なければ価格は跳ね上がります。


高い価格で販売するにはどうすればいいかわかりますか?

野菜の価格が高い時に出荷すればいいのです。

当たり前と思われるでしょう。しかしここにトリックがあるのです。

野菜の価格が高い時期、それは野菜の旬でない時に出荷することなのです。

旬ではない時に野菜を出荷すれば、価格は跳ね上がります。

それを狙って栽培している農家はとても多いと思います。


旬でない時に野菜を栽培するということは、はっきり言って「不自然」です。

例えば夏の野菜、キュウリやトマト、ピーマン、ナスなどを冬に収穫したいわけですから、 莫大な燃料費がかかります。いわゆる暖房費です。

ビニールハウスの中をボイラーで温めて、夏ような温度にします。

夏野菜が冬でも買えるのは、莫大なエネルギーがかかっているからです。

冬に夏野菜を出荷するのがとても不自然であるのがお分かりいただけますでしょうか。


ウクライナの戦争の影響で、これからますます燃料費は上がっていくでしょう。

いつまでもボイラー頼りの農業が続くとは思えません。燃料費の高騰は生産者の経営に多大なる影響を及ぼします。


旬の野菜を自然の営みに任せて栽培すれば、燃料費はかかりません。

これからは自然の姿、旬の栽培に戻っていくのかなと私は思っています。

自然の営みに合わせることが野菜にも人間にも一番いいことだと思いませんか。


オーガニックなどのこだわりの農産物なら農協を通さずに、自然食品店などの独自なルートで流通しています。

ネット販売、マルシェ、大手の産直業の「自然食品店」など、昔に比べれば流通形態は増えてきました。


しかし農産物全体の流通量から考えると、オーガニックの生産物の流通量は2~3パーセント程度なのです。


私は昔から顔の見える関係のみで、旬のお野菜を出荷しております。

まさに信頼関係で成り立っています。


私自身、自分の想いのこもった野菜を理解していただける方にお届けしたいですし、「おいしい」と想っていただけたら、生産者の私にとってこれほどうれしいことはありません。


農産物の流通もこれから様変わりしていくかもしれないと私は思っています。








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